【再放送曲】 『フルーツサラダの歌』 (1964年)
(Wikipediaより)
『フルーツサラダの歌』の再放送をやっていますね。土曜日夜11時35分からの1回きりの放送なので、すぐに聞き忘れてしまいますが、昨日ようやく聞くことができました。
♪ わたしのうちじゃ だれも
♪ フルーツサラダ だいすきよ
ペギー葉山さんの軽快な歌声が聞こえてきます。さすがに声がお若いですね。フルーツサラダが美味しそうです。Wikipediaに載ってる写真を載せてみましたが、色鮮やかで食欲をそそります。入れ歯のおばあさんにも喜ばれそうですね。おまけに栄養満点! おとうさんも弟も、もちろん私も大好きです。
(水星社テキスト第4集より)
♪ フルーツサラダ ジョリジョリジョリ
♪ すてきなのよ おいしいのよ
ペギーさんが得意げに歌う様子が目に浮かぶようですね。「フルーツサラダ」がとても早口なのが難しそうですが、「ジョリジョリジョリ」も気になります。野菜サラダだとジョリジョリするのかもしれませんが、フルーツサラダがジョリジョリするのはちょっと不自然です。検索してみると芦野宏さんが歌うバージョンの動画が上がっていて、こちらはフルーツサラダ好きの彼女と結婚して子供も孫もフルーツサラダ好きというストーリーになっていました。でも、芦野さんのバージョンも「ジョリジョリジョリ」です。「フランス こどものうた」という石井好子さんが歌うバージョンでは冒頭から「ジョリジョリジョリジョリジョリージョリ」と繰り返されています。これは一体何なのでしょうか。
ゼッキーノ・ドーロの曲っぽい気がするので原曲と原詞を探してみました。Salade de fruitsで検索するとフルーツサラダのレシピばかりヒットして少し手間取りましたが、「朝倉ノニーの<歌物語>」というサイトに原詞と訳詞が載っていました(http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-671.html)。「Salade de fruits」はブールヴィルBourvilというフランスのコメディアン兼俳優さんが1959年に歌った作品ということです。ゼッキーノ・ドーロではないようですね。みんなのうたの初回放送が1964年なので5年ほどたって紹介されたことになります。
Ta mère t'a donné comme prénom,
Salade de fruits, oh quel joli nom,
君の母さんは君に名前をつけた
フルーツ・サラダって、おー、なんてかわいい名前だ
これが歌いだしです。「君の母さんは君に名前をつけた、フルーツ・サラダ」…ということは「フルーツ・サラダ」は君の名なのですね。君は歌い手の彼女で、要は「フルーツ・サラダ」という名前の女性に求婚をする歌だったのです。なんじゃそれは、と思わず声に出してしまいました。「joli nom」の部分が「かわいい名前」なので、ジョリ(jolie)はかわいいという意味だと分かります。『走れジョリィ』のジョリィも同じ意味かも知れません。というわけで
♪ フルーツサラダ ジョリジョリジョリ
は恋人に向けて可愛い、可愛い、可愛いを連呼していたのでした。このあとめでたく結婚して、最後のシーンでは赤ちゃんも生まれています。上記のサイトにはブールヴィルが登場する動画も掲載されていますが、フルーツサラダさんに色目を使いながら迫っていて、あんまり子供のうたという感じではありません。みんなのうたで放送するにあたって、食べ物のフルーツサラダのうたとして翻案されたのでしょう。フルーツサラダ好きの彼女と結婚する芦野さんのバージョンの方が、原曲により近いと言えるかもしれませんね。翻案されても「ジョリジョリ」は残ったのでした。
『フルーツサラダの歌』(1964年)
作詞・訳詞:薩摩忠
作曲:カンフォーラ&ルー
うた:ペギー葉山
編曲:小森昭宏
映像アニメ:横尾忠則、みわとしこ
初回放送:1964年10月
【追記】
横尾忠則さんの映像の一部が水星社テキスト第4集に載ってました。こちらもなかなかジョリジョリしています。とても豪華なフルーツサラダですね!
(水星社テキスト第4集より)
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