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2025年7月25日 (金)

2025年8,9月のうた

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気がついたら8月です。長い夏もようやく後半で8、9月まで終わると多少は涼しくなるのでしょうか。

このクールの新曲は

『キラキラミライ』『万有引力』

の2曲です。ロングバージョン2曲と思いきやショートバージョン2曲ですね。新曲が少ないクールになるようです。2、3月のクールはショート2曲が多かったのですが、8、9月もそうなるのでしょうか。

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【再放送曲】『ひげなしゴゲジャバル』(1974年)

『ひげなしゴゲジャバル』の4年ぶり12回目の再放送も残すところ26日(土)分のみとなりました。12回の再放送はかなり多い部類に入るでしょうね。1位はたぶん『北風小僧の寒太郎』で20回を越えていますが、再放送10回越えの曲も多くはなさそうです。ただ70年代80年代の再放送が多くて、90年代以降は5回にとどまっています(それでも多いですが)。

 ♪ やどなしのゴゲジャバルは
 ♪ あわれな悲しいゴゲジャバル

ゴゲジャバルというのはネコの名前です。「ひげなしわらしねこ」とありますから、子ネコなのでしょう。どこかの腕白小僧が「ちょんきな」ひげを切り落として逃げてしまいました。

ここで「ゴゲジャバル」って何よ、とか「ちょんきなひげ」ってどんなひげ?とかは当然浮かぶ疑問ですが、歌詞の中にはヒントはなさそうです。アニメーションで見る限りでは普通のネコのひげに見えます。辞書にはない言葉で、ChatGPTの解釈は「細くて長く、ちょこんと出ているヒゲ」でした。方言っぽいので、作詞者の方のご出身がわかるとヒントがつかめるかと思って調べてみたのですが、菊池之枝(きくちゆきえ?)さんについては検索する限り情報がないですね。ChatGPTは「主婦」の方だと回答してましたが、それは「池田小百合なっとく童謡・唱歌」というサイトに出典なく書かれている情報なので、現時点では、作者の方については公的な典拠のある情報は見当たらず、実質的には何もわかっていないと言えそうです。

分かっているのは、この曲が「あなたのメロディ」の1973年度の入賞作だということです(Wikipedia情報)。これは今回初めて知ったことで『コンピューターおばあちゃん』や『算数チャチャチャ』と同じく 「あなたのメロディ」→「みんなのうた」コースの作品だったのですね。NHKクロニクルを調べてみると1974年2月3日の放送欄に「ひげなしゴゲジャバル」(ロマンチカ)とありました。ロマンチカとは鶴岡雅義と東京ロマンチカのことで、ずいぶん今のイメージと違ってびっくりです。この時点では、歌の形やアレンジも現在とは違っていたと推測されます。


1974年3月24日の「あなたのメロディー ―昭和48年度年間優秀作品コンテスト―」でも放送されてますので、年間優秀作品の候補にもあがっていたようです。このときはペギー葉山さんが歌ってらして今の形に近づいてきます。「みんなのうた」としての初回放送は1974年6月3日11:45-11:50で、やはりペギーさんが歌ってらっしゃいます。おそらく3月の時点では「みんなのうた」で放送することが決まっていたのでしょう。「あなたのメロディ」での放送が2月上旬なので「みんなのうた」への採用は即決されたようですね。今にいたるまでの50年余りの人気曲であることを考えると的確な判断だったと言えるでしょう。

曲の由来は分かってきましたが、「ゴゲジャバル」の由来はわからずじまいです。検索してもこの曲のことしか出てきませんので、菊池さんのご創作なのでしょう。それにしてもネコの名前というと「ミケ」とか「タマ」とか「クロ」とか短くて呼びやすい名前が多い中で「ゴゲジャバル」は変わっています。6文字なのも長いですし、そのうち4文字が濁音なのも異例です。およそ、ネコにつける名前ではないところが面白いですね。

濁音というのは声帯を震わせる有声音で幅広い周波数の音を含んでいます。 一方で清音(か、さ、た、は など)は声帯を震わせない音で、軽く明るい印象を与えることが多いです。濁音は低い周波数の成分が多いので、大きくて力強いイメージを持つとされています(https://sy-linguistics.com/2024/10/04/japanese/sound-symbolism/)。大きいものを強い力で動かしたり壊したりすると周波数の低い音が出やすいですからね。怪獣の名前に濁音が多いと言われるのもそのためなのでしょう。こうした特性をもつ濁音を4文字も持つ「ゴゲジャバル」が怪獣並みの存在感を持つのもむべなるかなです。このゴゲジャバルのひげを切ってしまったら…。のちの大騒動も十分なっとくできそうですね。この曲の人気の秘密は「ゴゲジャバル」という名前を創作された菊池さんのオリジナリティに負うところが大きいと言えるでしょう。

 ♪ ひげの神様 ひげやってくだしゃんせ
 ♪ えんま大王 寿老人よ

かくて、村をあげての大祈祷会となりました。七福神の寿老人はこの歌を聞いた時点では知らなかったので教育的価値もあったといえるでしょうか。雲がえんま大王や寿老人の形になる堀口さんの演出も秀逸です。

たかが子猫に大騒ぎ…のナンセンスソングとみるか、ゴゲジャバルの異形の力を恐れる村人たちの危機管理ソングとみるか。いろんな解釈ができるところもこの作品の魅力でしょう。ひげのないゴゲジャバルを見た時のばあ様の驚きぶりは、ゴゲジャバルの魔力を知っていたからだとすると辻褄が合いそうですが、ゴゲジャバルの「ニィッ」とした笑顔に答えがあるのかもしれませんね!

『ひげなしゴゲジャバル』
作詞 菊池之枝
作曲 菊池之枝
うた ペギー葉山
編曲 一ノ瀬義孝
アニメ 堀口忠彦
初回放送月 1974年6月〜7月

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