>地球の温暖化が懸念される中、埼玉県はマンゴーなど南国の農作物の栽培試験をスタートさせる。試験事業は3年間続ける予定で、初年度となる2008年度は約155万円を盛り込んだ。
>近年、温暖化の進行が懸念され、昨夏は記録的な猛暑だったことから、県は07年11月に「気候温暖化対応農業プロジェクト」を設置し、本格的な農業対策に乗り出した。
>新農作物の品目を選ぶ目安として、県は今後100年間で年平均気温が1・14~6・4度上昇し、沖縄県程度の気温になることもあると想定。 そこで当面は〈1〉マンゴーやビワ、温州ミカン、観賞用パイナップルなどの果物〈2〉街路樹としてのニッケイ〈3〉バイオマス(植物を利用したエネルギー)や飼料用としてのサトウキビ――などの栽培を目指す。具体的な品目は今月中に決める。
>このうちマンゴーは、県園芸研究所(久喜市)で1991~95年度、6種について試験栽培済みだ。アーウィン種なら、冬場のハウスでも最低気温を15度以上に保てば栽培できることがわかっている。 08年度は、県内ですでに栽培されている農作物と同じハウスで栽培できるかどうかなど、普及方法を中心に試験を行う計画だ。
(マンゴー、サトウキビ育つかな 温暖化にらみ、県が試験)
>地球温暖化による豪雨の増加で、河川の治水安全度は今世紀末には半分から4分の1程度にまで下がることが、国土交通省の試算でわかった。 堤防やダムの拡充だけでは対応できない恐れがあり、洪水を前提とした街づくりなど、発想の転換も必要になりそうだ。
>全国には、1級河川が109水系あり、100~200年に1度起こる激しい雨量を設定して治水の整備方針が作られている。しかし、温暖化の進行により2080~99年には、1日当たりの最大降水量が1979~98年に比べ、1~2割増えることが気象庁の研究で予測されている。同省はこのデータを使い、82水系の治水安全度を再計算した。
>荒川(関東)や淀川(近畿)では、200年に1度と想定した雨量が120年に1度、木曽川(中部)では90年に1度になり、安全度が半分に下がった。また、150年に1度を想定した28水系では、北海道地域が平均51年、東北地域が同37年、九州が同95年に1度に下がった。100年に1度の雨を想定したグループでは30~66年に1度の頻度となった。
>降水量の増加や豪雨の頻度は、気温上昇に伴って高くなるため、現在の整備のペースでは間に合わない恐れがある。
(温暖化で豪雨増え、今世紀末に河川の安全度は大幅に低下)
温暖化の影響についての記事2本です。
埼玉県でマンゴーやサトウキビが採れるようになるかも、といわれると気候の変動具合が実感としてわかりますね。関東に居ながらトロピカルな気分が味わえるというのは結構かもしれませんが、一方では大雨によって大きな洪水が起きる確率が、2倍近くになるという試算も出されています。堤防などの整備が間に合わない可能性があるため、「洪水を前提としたまちづくり」が必要なんて、すごい文言も見られます。広い遊水池を確保して、普段はスポーツなんかができるようにすれば有意義ですが、相当の費用が必要でしょう。
こういった、温暖化に対する適応の費用と、温室効果ガス削減に必要な費用とを比較して対策を考える必要があるのですが、その辺をちゃんと試算したデータにはなかなかお目にかかれませんね。
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