2011年11月 2日 (水)

世界の風力発電導入量推移

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授業用にグラフをつくったので載せておきましょう。世界のデータはGWEC(世界風力エネルギー協会)の2011年次レポートから、日本のデータはJWPA(日本風力発電協会)のHPから拾いました。

ながらくドイツが首位を占めていたのですが、2008年にアメリカ、2009年に中国に抜かれて2010年現在で3位になっています。2010年には中国はアメリカもかわして世界一の風力発電導入量となったようです。まあ、中国、アメリカは国土が広いので、それを考えるとドイツや4位のスペインは健闘してるといえるでしょう。

中国は風車はあっても送電線がなかったりといった未整備な部分もありますが、ちゃんと稼動している分をみても多分世界のトップクラスだと思われます。「風の万里長城」で石炭火力頼みを脱しようという意気込みが感じられます。

日本のデータはGWECのレポートに載ってませんでした。風力発電界ではその程度の位置づけみたいですね。2005年までは中国といい勝負だったのですが、大きく水をあけられました。「風力より原発」のお国柄なのでしょうがないのですけど、今後どうなるか注目されます。

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2011年5月17日 (火)

東芝、スマートメーター買収

東芝がスマートメーター製造の最大手、ランディス・ギア社を買収するという記事がでてました。スマートメーターは通信機能のついた電力量計で、出力の不安定な自然エネルギーを用いた電力供給を他のエネルギー源で補って安定化させるスマートグリッドを構築する上で不可欠の要素とされています。

将来的に自然エネルギーの利用が増えると見込むとスマートメーターの利用も増えていくことが予想されますので、東芝が先手を打ってスマートメーターシェアの世界シェアの3割を占めるランディス・ギア社の買収に踏み切ったとみられます。

東芝は従来、原子力発電を事業の柱としてきてましたが、今回の事故を受けて自然エネルギー分野にも乗り出す方針のようですね。スマートメーター自体、日本では馴染みの薄いものでしたけど、だんだん普通に見かけることができるようになるかもしれません。

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2009年3月17日 (火)

プリウス値下げ

プリウスより低価格のホンダ「インサイト」が好調なのに対抗して「プリウス」も値下げするみたいですね。5月発売の新型プリウスの最低価格は205万円程度になる模様です。

初代プリウスが215万円で、今のプリウスが235万円程度、新型は排気量を増やして250万円程度にする予定が一転して大幅値下げとなりました。現在新車販売の4%ほどに過ぎないハイブリッド車のシェアを引き上げて、温室効果ガスの削減に貢献することが期待できます。

ただ、これまでハイブリッド車の普及を阻んできた主な要因が高い価格だったわけですから、値下げができるのならもっと早くして欲しかったと思います。インサイトが出なければ一段と高くなってたわけですし、トヨタはハイブリッド車を作った功績はあるものの、普及させることにはあんまり熱心ではないのかもしれませんね。

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2009年3月10日 (火)

ハイブリッド車販売台数

2009年2月のハイブリッド車販売台数は

 インサイト 4906台
 プリウス  4524台

でした。ホンダのインサイトは出たばかりなのですが価格が40万円ほど安いこともあってプリウスを上回りました。ハイブリッド車の普及には価格の低下が必要であることを示す結果とも言えるでしょう。

ちなみにインサイトとプリウスの合計は9430台で2月の新車販売台数21万8212台(軽を除く)の4.3%にあたります。増えたとはいえまだ5%にも達していないのですね。4月からはハイブリッド車の購入に減税措置がとられるのでどの程度効果があるかが注目されます。

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2008年9月27日 (土)

2007年の二酸化炭素排出量(速報値)

>2007年に世界で排出された二酸化炭素量は、前年比3%増の93億4000万トンだったことが、地球温暖化問題に取り組むグローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)が25日発表した研究結果で分かった。経済活動の低迷で減少するという予想を覆した結果で、最多排出国は2006年の米国を抜いて中国となった。

(CNNモバイル)

この値は多分炭素換算値ですから、二酸化炭素の実質量になおすと、345億トンということになります。04年が250億トン、05年が265億トンという数値からひどく増えてるようですが、二酸化炭素以外の温室効果ガスの分含まれているのかもしれません。気候変動による悪影響を避けるには年130億トン程度の温室効果ガスの排出量に抑える必要があるとされてますから、いずれにせよ全然多いです。

1位は中国で74億トン(前年比7.5%増)、2位はアメリカで65億トン(前年比2%増)ということです。06年にアメリカに並んだ中国がすでに9億トンの差をつけています。都市部で電気の使用量が急増して火力発電所を急ピッチで作っていることと、自動車の使用量が急増しているのが主な原因でしょうね。

3位がインドとありますから、ロシアを抜いたのでしょう。記事にはありませんが多分4位ロシアで5位が日本だと思われます。

減った方ではデンマークが前年比8%減、イギリス、ドイツが3%減、フランス、オーストリアが2%減とEU諸国が並んでいます。再生可能エネルギーの導入が効を奏しているのか、単に景気が減速しているからか、検討が必要ですね。

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2008年5月11日 (日)

日本は50年メドに60―80%削減・政府調整

>政府は7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)を前に、2050年までの温暖化ガスの国内排出量の削減目標を設定する方針を固めた。削減幅は6―8割を軸に調整している。温暖化ガス排出の過不足分を企業間で取引する国内排出量取引制度の導入に前向きな方針も打ち出す。地球温暖化問題が主要議題となるサミット議長国として、自国に高い目標を課すことで国際交渉を主導する狙いだが、達成に向けたハードルは高そうだ。

温暖化ガス削減目標、日本は50年メドに60―80%・政府が調整

これは大きなニュースですね。

世界で温室効果ガスを半減するためには、世界全体の排出量を130億トン程度に抑える必要があるわけで、人口を65億人とすると一人当たり2トンの排出量ということになります。

日本の人口が2050年に1億人ほどになっているとすると、日本全体で2億トンの排出量にすると一人当たり2トンの水準になる計算になります。2006年の排出量が13億4000万トン(一人当たり11トン)ですからここから85%減らすと2億トンにすることができます。

本気で温暖化による被害を防ぐには、この程度の削減がいずれにしても必要なのですが、ようやく日本政府もこのレベルの削減を目標として掲げるつもりになってきたようです。ただし、これは非常に大きな目標で、ざっと計算して年4~5兆円の予算を削減のために投入しないといけない勘定なのですが、それだけの予算措置を講じることができないと目標を掲げただけに終わる公算も高いといえるでしょう。

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2008年4月23日 (水)

茶葉、コーヒーかすを燃料に

>次世代のバイオ・リサイクル固形燃料「バイオコークス」の実用化に向け、近畿大学が恵庭市の大学資源再生研究所内で準備を進めていた量産実証実験センターが22日、開所した。2009年度からの実用化を目指す。 

>バイオコークスは、飲料水製造工場などから大量に廃棄される茶葉、コーヒーかすなどの身近な植物由来廃棄物を原料に製造する燃料。石炭コークスに代わる安価で安定供給でき、二酸化炭素排出の削減につながる脱化石燃料として実用化に期待が高まっている。これまでの実験で、石炭コークスの20%代替が可能で価格も石炭コークスの1トン10万円に比べ7万円前後と割安だ。 

>直径100ミリのバイオコークスは、乾燥した茶葉やコーヒーかすを180度で20分間、16トンの高圧をかけて製造。原料は光合成に由来するすべての生物資源。もみ殻、ジャガイモの皮、稲わらなどの廃棄物を100%活用できる点が強み。循環型社会に形成にも役立つ。 宗像センター長は「森林資源が豊富な北海道での研究課題に全力で取り組み、09年度には実用化を図りたい」と話している。

>三菱重工環境エンジニアリングの久保田浩次長は「市場が求める価格での量産化が事業化の分岐点。可能なら製造販売の会社設立も選択肢」との見解を示した。  

リンク: 2008年4月23日(千歳民報).

近畿大学が近年手がけていたバイオコークス(http://www.co-ip.jp/modules/wordpress/index.php?cat=116http://ccpc01.cc.kindai.ac.jp/honbu/press/0709/bio.html)の量産実験が始まるようですね。

製鉄に必要なコークスは大きなCO2排出源となってますので、これを生物起源の材料に代替できるとCO2削減に大きく貢献することになります。これまでの実験では、コークスよりも安い価格で代替できるようですので、バイオ系の技術のなかでも有望なものと考えられます。

実際に量産してもその程度のコストに抑えられるのか、バイオコークス生成の過程で必要なエネルギーが代替効果を上回らないのか、どの程度の規模で代替が可能かといったことがらが、量産実証実験では課題になるでしょう。

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2008年3月19日 (水)

埼玉でマンゴー?

>地球の温暖化が懸念される中、埼玉県はマンゴーなど南国の農作物の栽培試験をスタートさせる。試験事業は3年間続ける予定で、初年度となる2008年度は約155万円を盛り込んだ。  

>近年、温暖化の進行が懸念され、昨夏は記録的な猛暑だったことから、県は07年11月に「気候温暖化対応農業プロジェクト」を設置し、本格的な農業対策に乗り出した。  

>新農作物の品目を選ぶ目安として、県は今後100年間で年平均気温が1・14~6・4度上昇し、沖縄県程度の気温になることもあると想定。  そこで当面は〈1〉マンゴーやビワ、温州ミカン、観賞用パイナップルなどの果物〈2〉街路樹としてのニッケイ〈3〉バイオマス(植物を利用したエネルギー)や飼料用としてのサトウキビ――などの栽培を目指す。具体的な品目は今月中に決める。  

>このうちマンゴーは、県園芸研究所(久喜市)で1991~95年度、6種について試験栽培済みだ。アーウィン種なら、冬場のハウスでも最低気温を15度以上に保てば栽培できることがわかっている。 08年度は、県内ですでに栽培されている農作物と同じハウスで栽培できるかどうかなど、普及方法を中心に試験を行う計画だ。

マンゴー、サトウキビ育つかな  温暖化にらみ、県が試験

 

>地球温暖化による豪雨の増加で、河川の治水安全度は今世紀末には半分から4分の1程度にまで下がることが、国土交通省の試算でわかった。  堤防やダムの拡充だけでは対応できない恐れがあり、洪水を前提とした街づくりなど、発想の転換も必要になりそうだ。

>全国には、1級河川が109水系あり、100~200年に1度起こる激しい雨量を設定して治水の整備方針が作られている。しかし、温暖化の進行により2080~99年には、1日当たりの最大降水量が1979~98年に比べ、1~2割増えることが気象庁の研究で予測されている。同省はこのデータを使い、82水系の治水安全度を再計算した。  

>荒川(関東)や淀川(近畿)では、200年に1度と想定した雨量が120年に1度、木曽川(中部)では90年に1度になり、安全度が半分に下がった。また、150年に1度を想定した28水系では、北海道地域が平均51年、東北地域が同37年、九州が同95年に1度に下がった。100年に1度の雨を想定したグループでは30~66年に1度の頻度となった。  

>降水量の増加や豪雨の頻度は、気温上昇に伴って高くなるため、現在の整備のペースでは間に合わない恐れがある。

温暖化で豪雨増え、今世紀末に河川の安全度は大幅に低下

温暖化の影響についての記事2本です。

埼玉県でマンゴーやサトウキビが採れるようになるかも、といわれると気候の変動具合が実感としてわかりますね。関東に居ながらトロピカルな気分が味わえるというのは結構かもしれませんが、一方では大雨によって大きな洪水が起きる確率が、2倍近くになるという試算も出されています。堤防などの整備が間に合わない可能性があるため、「洪水を前提としたまちづくり」が必要なんて、すごい文言も見られます。広い遊水池を確保して、普段はスポーツなんかができるようにすれば有意義ですが、相当の費用が必要でしょう。

こういった、温暖化に対する適応の費用と、温室効果ガス削減に必要な費用とを比較して対策を考える必要があるのですが、その辺をちゃんと試算したデータにはなかなかお目にかかれませんね。

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温暖化ガス削減、9業界が新たに自主目標

>京都議定書が課す温暖化ガスの排出削減目標を達成するため、学校や放送など9業界が新たに温暖化ガスの自主行動計画を作成したことが明らかになった。

>スーパーやコンビニなど4業界はすでにある自主行動計画の目標を引き上げ、合計で年間約30万トン(二酸化炭素=CO2=換算)の排出を減らす。17日に開く環境省と経済産業省の合同審議会で公表する。  

>新たに自主行動計画をつくったのは私立学校や民放、日本放送協会(NHK)、ケーブルテレビなどの9業界。民放業界が2010年度にエネルギー効率を04年度比10%改善するなど、7業界は具体的な数値目標を掲げた。

(京都議定書の温暖化ガス削減、9業界が新たに自主目標

 

>日本プロ野球組織(NPB)は17日、試合のスピードアップなどで地球温暖化対策に貢献する、今季の取り組みを発表した。  

>取り組みの第1は、試合時間の6%短縮。京都議定書で定めた日本の地球温暖化ガス削減目標の6%にちなんだ。今季の公式戦で、過去10年の1試合平均3時間18分を12分短縮することで、使用電力量に換算して年間約37万6000キロ・ワット・アワー削減の効果があるという。目標が達成できなかった場合は球界としてCO2排出権を購入する。  

>このために、2分15秒以内の攻守交代、投球間隔15秒の励行など、選手らの心がけの積み重ねで時間短縮を目指す。各球団でも、雨水の有効活用や太陽光発電の採用など、温暖化防止の独自の目標を掲げた。

試合短縮で使用電力削減、プロ野球界が温暖化防止に貢献へ

こんな風に、各業界がそれぞれ自主的な削減目標を掲げていくのが「セクター別アプローチ」の中身ということになると思われます。結構なことではありますが、それぞれの目標が守れるのかどうかは未知数ですし、全体で結局何%減るのかもよくわからない緩めのアプローチということにはなるでしょう。緩い分、参加はしやすいはずなのですが、それでも千葉の会議では途上国からの評判は悪かったみたいです。

途上国の主張する「共通だが差異ある責任」という観点からすると、先進国が緩めのアプローチならば、途上国はもっと緩いアプローチでよいということになるのでしょう。あるいは途上国にそれなりのアプローチを求めるとすれば、先進国は厳しいアプローチをとることが必要ということになりそうです。日本政府の提唱する「みんなで緩いアプローチ」というラインで途上国の参加を求めることはなかなか難しいかもしれません。

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2008年3月16日 (日)

温暖化ガス排出、JFE首位

>日本で温暖化ガスを大量に排出する上位企業の全容が明らかになった。地球温暖化対策推進法に基づく排出量の報告制度で、2006年度に最も多く排出した企業はJFEスチール、2位が新日本製鉄、3位が住友金属工業だった。上位100社・団体で日本全体の排出量の約3割を占める。経済産業省と環境省がまとめ、月内にも初めて順位などを公表する。情報開示を通じて、企業間の排出量削減競争を促す方針だ。  

>排出量の公表で、各社の環境負荷が分かりやすくなる。環境に配慮した経営をしている「エコ企業」を投資家や消費者が選別する新たな尺度として普及しそうだ。

(温暖化ガス、排出上位は鉄鋼と化学・06年度分、JFE首位)

JFEスチールは2003年に日本鋼管と川崎製鉄からできた会社ですが、規模が大きくなると排出量は当然大きくなるので、排出量だけを公表するのは気の毒といえば気の毒です。投資家や消費者向けの指標としては、生産単位あたりの排出量も計算して示してほしいものです。

とはいえ排出量が多いとそれだけ気候変動の要因になりますので、全体量でも抑えてもらう必要はあります。そういう意味で、全体の排出量も公表する意味があるでしょう。

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